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「ラファエル前派の軌跡」展 ~ターナー、バーン・ジョーンズ、ロセッティなど、自然でわかりやすい絵画を堪能しました。ラスキンの「現代絵画論」も見られました。

 前回お話ししたように、丸の内・三菱一号美術館で、13日(土)朝10時から、

「ラファエル前派の軌跡」展

を鑑賞してきました。
 ポスターは、後述する、ロセッティの「魔性のヴィーナス」(1863-68頃)。

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 盛期ルネサンスの画家・ラファエロ・サンティ(1483-1520)については、ルネサンス様式の完成者として知っていますが、ラファエロ「前派」とは何 ? 
 ラファエロ(因みにこれは英語読みで、伊語読みではラファエル)「前」とは、ラファエロを含んだ「前」、それとも、1483年よりも前 ?、それとも、37歳で死にましたが、初作品の1501年よりも前 ?、「派」って何・・?。

 「前」は、当然、それを含みません。含んだ時は「以前」です。法律用語でもそうですね。
 さきほど、「ルネサンス様式の完成者」と言いましたが、それで、レノルズが、1769年に開校した英国ロイヤル・アカデミー付属美術学校は、ずっとラファエロを中心にした古典重視の絵画教育をしていました。

 それに、1848年、反旗を翻したグループというか、秘密結社のような団体が、「ラファエル前派兄弟団」(「P.R.B」《Pre Raphaelite Brotherhood》とサインしました。)の7人です。つまり、ラファエロより前の初期ルネサンス絵画に戻ろう、という理念を掲げていました。
 その理念は、「人間を主役にする」あるいは「自然に忠実な絵画製作」、神の創造物である完全な自然をありのまま表現する、とも言いましょうか。また、細密な人物描写や遠近法を使った均整のとれた美よりも、純粋・素朴な精神性、道徳性を重んじているとも言えましょうか。

(以下、下記の「続きを読む」をワン・クリックしてお読みください。)

 余談ですが、クリムトがウイーン「分離派」を創設したのは、1897年。
 印象派の絵画を集めた、英国の富豪・サミュエル・コートールドが生まれたのが、1876年です。そう言えば、英国のウイリアム・バレルの印象派コレクションの展覧会も始まりますね(Bunkamura ザ・ミュージアム)。

 ですから、この展覧会の作品は、取っ付きやすく、理解し易い。来たるべき印象派も彷彿させる作品もあります。
 入ってすぐ、ラスキンが、20歳の時にその価値を認め、「現代絵画論」執筆、作品蒐集のきっかけとなった、ターナーの「ナポリ湾(怒れるヴェスビオ山)」、「カレの砂浜ー引き潮時の餌取り」です。
 「ラスキン生誕200年記念」とサブ・タイトルにあるように、ラスキン作品や資料が多いのが印象的です。

 そのPRBの中心メンバーが・・、
ダンテ・ゲイブリエル・ロッセッティ(1827-1910)、
ジョン・エヴァレット・ミレイ(1829-1896)
ウイリアム・ホルマン・ハント(1827-1910)
で、応援したのが、
ジョン・ラスキン(1819-1900)。美術評論家、社会思想家で、水彩画などもこなしました。
です。
 ラスキンの「現代絵画論」第2版 全6巻(1892)や、「ヴェネツアの石像建築」全3巻(1851-53)の名著も、今回、展示されています。

 このメンバーで、5年ほど続いたのですが(前期ラファエル前派)、ミレイがオイヤル・アカデミーの準会員になったりして崩壊し、
(因みに、1848年に結婚したラスキンの妻・エフィー・グレイ(1828-1897)が、ミレイとスコットランド旅行(1853)中に不倫関係になり、ラスキンとは1853年離婚し、ミレイと再婚して8人の子どもを授かっています。この頃の作品も数点あります。)

その後、
エドワード・バーン・ジョーンズ(1833-1898)、
ウイリアム・モリス(1834-1896)、
ジョセフ・マラード・ウイリアム・ターナー(1775-1851)
らの「後期ラファエル前派」が生まれます。

 私は、バーン・ジョーンズの「書斎のチヨーサー」(1863)が好きで、書斎に絵はがきでも飾っておきたいのですが、ショップで売っていたのは、ジョーンズでは、「三美神」(1885-96頃)など、あまたある名作の絵はがきばかりです。

 さらに言えば、30年後くらいになりますが、「第3次ラファエル前派」もあって、これは、「テンペラ復興運動」にもかぶります。
 ガスキン(1862-1928)やサウソール(1861-1944)による、テンペラ画家協会(1901)に繋がっています。この頃は、油彩以前テンペラで、顔料を混ぜる媒剤に主に卵を用いました。

 ゆっくり堪能し、やや疲れて、まるで、書斎のチヨーサーのようになって表に出ると、中庭の緑の美しさに目を奪われました。

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 本展では、ミレイの「オフィーリア」(1851-1852)が、無かったのは、至極残念でした。

 次は、ギュスターヴ・モロー展と、わたせ せいぞうさんのギャラリーを訪ねようと思っています。★
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Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 芸術団体を「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

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